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卒業式は小学生の時とは少し違った。

泣いている子も沢山いたし、小学生の頃は何とも思わなかったあたしも、涙で『仰げば尊し』は歌えなかった。

色々あった。
辛いことも沢山あった。

でも綾に出会えた。
美晴達に出会えた。
沢山の幸せな思い出もあった。

実感はなかったが、自分の涙を見て初めて、中学を卒業するのだと感じる。


卒業するんだ。

ヒカルとの記憶が染み付いた、ここから。


…「あーおっ!」

廊下をさとと歩いていたら、綾達に声をかけられた。
駆け寄って来た綾が、あたしの胸元の花を取る。

「はい、これはここっ」

綾がつけたのはあたしの頭。よく見たら、綾も由利も香緒も、みんな同じ様についている。

「お揃いっ」
「あお、意外に似合うじゃ!」
「意外ってなによ!」

笑いながらじゃれあう。
こんなじゃれあいも、もう今日で最後だ。

「あ、神ちゃん、写真撮って写真!」
「はいはい、」

綾からカメラを受け取ったさとは、苦笑しながらあたし達にカメラを向ける。

「撮るよー」

四人並んで、笑顔を向けた。
多分嘘のない、心からの笑顔。

みんなに会えてよかった。
心の底から、そう思う。