あたし達は着々と、次の世界へ向かう準備をしている。
この枯れた木々が桃色の花を咲かせる頃には、多分みんな違う制服を着てる。
不安もあった。
でも期待もあった。
そして拭えない、喪失感も。
…やがて木々からは新しい命が芽生え、冬の木枯らしは少しずつ春の色を帯びてきた。
ばっさり切った髪も、肩下まで伸びた。
色は黒のまま、丁寧にブローをする。
鏡の前で、きゅっとリボンを結ぶ。
初めてこの制服を着た日を思い出す。
あの頃、この制服を脱ぐ日のことを想像できていただろうか。
「あおい!有希ちゃん来たよ!」
下からお母さんの声がした。
「わかった!」と返事を返し、スカートをもうひとつ折る。
…3月9日。
卒業式。
ヒカルと別れてからこの日まで、あたし達が会うことは、なかった。
この枯れた木々が桃色の花を咲かせる頃には、多分みんな違う制服を着てる。
不安もあった。
でも期待もあった。
そして拭えない、喪失感も。
…やがて木々からは新しい命が芽生え、冬の木枯らしは少しずつ春の色を帯びてきた。
ばっさり切った髪も、肩下まで伸びた。
色は黒のまま、丁寧にブローをする。
鏡の前で、きゅっとリボンを結ぶ。
初めてこの制服を着た日を思い出す。
あの頃、この制服を脱ぐ日のことを想像できていただろうか。
「あおい!有希ちゃん来たよ!」
下からお母さんの声がした。
「わかった!」と返事を返し、スカートをもうひとつ折る。
…3月9日。
卒業式。
ヒカルと別れてからこの日まで、あたし達が会うことは、なかった。



