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髪をばっさりと切った。
失恋して髪を切るだなんて、なんだか古い気がしたが、どうにかして気を紛らわしたかったから。
ヒカルと別れて、ヒカルを失って、どうやって生きていけるのだろうと思っていた。
でも残酷な程に時は冷静に刻み続け、止まることを知らない。
眠れない日もあった。
涙が止まらない日もあった。
でも生きていれば睡眠は不可欠だし、涙だっていつかは枯れる。
受験生だという環境も手伝って、あたしは思ったよりも早く、日常の歯車へと戻ることができた。
さとや綾に支えられながら、勉強することで気をまぎらわす。
図書館の窓から見える景色は色を変え、緑生い茂る夏から、色とりどりの秋、やがてそれらは木枯らしに耐えきれず、裸の木々が目立つ冬へと向かっていった。
内申があまりよくないあたしは、テストの点で稼ぐしかない。
必死に勉強したかいもあり、初雪が降るんじゃないかと思われる程に寒かった12月の頭には、なんとか第一志望の合格圏内へいくことができた。
さとはスポーツ推薦で既に合格をもらっており、さとと同じ高校を目指している綾も、ようやくB判定まで上がった。



