「…んだよこれ、」
あたしが持った紙を見て、さとが低く呟いた。
その後に続くように、窓の外からは、場違いな下校途中の小学生の笑い声が聞こえる。
その無垢な笑い声があたしに移ったかの様に、あたしは小さく笑った。
「…まさか、机にまで入るなんてね」
昨日席替えしたばかりの席。
よっぽどじゃない限り、あたしの席を知るのは同じクラスの子だけだろう。
まるで犯人は、自分が犯人だと言っている様なものだ。
わかってるのに。ただの嫌がらせだって。ただの、過去の延長なんだって。
なのに。
「…ねぇ、さと」
なのに何で、こんなに苦しくなるの。
「あたし…ほんとにヒカルに、嫌われてるんかな」
笑い声が、泣きそうだった。
語尾が震える。
紙に視線を落としたまま呟くあたしの肩を握り、さとは「あお」と言う。
「そんなことない。大丈夫じゃけぇ」
「…そうかな」
「そうじゃ。こんな紙に惑わされるな」
「じゃあ何で…」
視線を上げる。あたしを見つめるさとと目が合う。
でもその表情は、歪んで見えた。
限界だ。
「何でヒカルは、今側におらんの?」



