「選ぶのは、ヒカルじゃろ」
あたしのこの言葉に、みどだけじゃなく、みんなが反応するのがわかった。みどはかぁっと頬を赤くし、唇を噛み締める。あたしはそれを横目で見ながら、踵を返した。
何故だか、怖いくらいに冷静だった。
怒りとか、悲しみとかよりも、もっと大きな感情があたしの中を駆け巡る。
…くだらない。
こんなしょうもないことにいちいち傷ついていた自分も、大概馬鹿だ。
でも、正面切っては何も言えない、陰険なやり方しかできない、そんな彼女達をあたしは確実に見下していた。
最後に敢えて『ヒカル』と呼んだのは、多分、その気持ちの現れ。
彼女達より自分は上にいる。
そう思いたかった自分に馬鹿らしさを覚えて、口をついたのは、嘲笑にも似た笑いだった。
…馬鹿だなぁ、あたし。
人間なんて、そんな綺麗な生き物じゃないことくらい、もうわかってもいいはずでしょ。



