ゆるい会話が淡々とされるなか、二台のストーブがMAXにめらついていた。




「あのさ」

「なんだ」

「ストーブいらないよな、しかも二台も」

「そうか?一台では寒くないか?」

「いやいや、一台二台ゆうまえに、この体、雪だるまだよな?ストーブもカイロもマフラーもホットカーペットも、ジブリの映画もいらんつーの」


バケツに入ったイエローの目の前には二周目と思われる「耳をすませば」が流れている。



「…では、せめてコタツを」
「だからーいらん、そんなに溶かしたいのか」


ヌックは少し考えたあと、一つ一つ暖房を消していった。


相手はあの憎きホットジャーのイエロー。

だが、体は日下部さん(雪だるま)


何度も作れる体だがそこは大事な仲間。


寒がりの日下部さんだからこそ暖めた部屋、ヌックはジワジワと寒さが忍び込んでくるのを感じていた。