次の日の朝――

「ご決断は?」

拒否権は無いって言ったくせに。
嫌味ですか?

イライラしているせいか、ついマイナス
思考になりがちだ。気を付けないと。態
度に出てないといいんだけど。

「御一緒させて貰います。」

そう言って私は一応頭を下げた。

「凛…」

不安げに見上げて来るお母さん。

それを見て、私は自分がしっかりしなけ
ればいけないんだと心と体に鞭を打った。
そしてとびっきりの笑顔で、

「行って参ります!
お父さん、お母さん。」

と、別れを告げた。

もしかしたらこれが今生の別れかもしれ
ない。そう思うと涙が零れそうだった。
それでも私は歩きだしたら最後、二度と
振り返らなかった。

お城までの道のりは大体半刻ほどである。
使者の人の背中を眺めながら私はずっと
自分が呼ばれた理由を探していた。

自覚がないだけでどっかで何かしたのか
しら、私?でもこの前のあれは単に女の
子を助けただけだよね。もしかして褒美
?いや、それだったら使者の人がそう言
ってくれたはず。じゃあ何?

考えても全然結論が出ず、いつの間にか
城門の前に立っていた。促され、私は敵
地に乗り込む気持ちで城門をくぐった。

自分を待ち受けるものに一抹の不安を抱
きながら。




そして、運命の歯車が―――

動き出した。