二人だけの部屋の灯りは
小さな間接照明と月明りだけ

そんな理想を口にする君は
響く雨音を気にかける

どうした?と尋ねる俺
胸の音が聞こえない、とお前

雨の小さな粒にかき消される
もっと小さな生の鼓動

お前は胸に頭をくっつけて
俺はそんなお前の髪に口付ける

大丈夫

抱きしめたお前に跳ね返り
トクトクと響いている音

薄明かりすら俺にはいらない
そうやって俺の生をお前が

いつも生を確認させて
いておくれよ

そして俺の胸で眠るんだ
俺にはお前こそが

生の灯火




笑夜