ばーか、ちっさ。

ほんとにばかだよ。

そんなにキレイで、可愛くて。

たくさんの男子に好かれて、告られて。

でも、たくさんの女子に僻まれて、憎まれて。

もちろんちっさを受け入れる人だってたくさんいるけど――


何回も苦しい気持ちを味わってきたんだ。

自分の、体で。その心で。


何かを手に入れるためには、代償が必要。


わたしはちっさから学んだ気がするよ…。


ふと、リュウの顔が浮かぶ。

なんでだろ。

最近こんなようなことが頻繁に起きる。


もし――

もしわたしがリュウの心を手に入れたいと思ったら、

それにはそれ相応の代償が必要なのかな。


――そんな勇気、わたしには無いな…。


だいすきなちっさだから。

ちっさを悲しませる、なんてこと、わたしにはできない。

できるわけがない。





「ねーえ!ゆんちゃん!なんであたしばかなの?!」

ちっさが可愛らしい声で。

すっごくキレイな声で。

わたしに問う―――




「…ちっさはばかだよ…」