私と彼の関係

「私の家に来るの?」


「家まで送ろうって思ってさ」


「いいよ。少し遠回りになるし」


「今日は気が向いたから」


 彼はわたしの家の方角を聞くと、また先導するように歩き出した。


 少しくらい並んで歩いてくれてもいいのに。


 少し前をあるく彼にそう言えなくて、ただ、彼の後ろ姿を目で追っていた。


 わたしの家の前に来ると、彼の足が止まる。


「じゃあね」


 彼の言葉に頷く。


 彼はそれが義務だったかのように、きびすを返し、歩いて行こうとした。


 そのとき、私の視界を一筋の雨が横切っていた。