私と彼の関係

「テストは再来週から?」


「どうして?」


「ののかが言っていたから」


 彼はあごに手を当てると、首をかしげる。


「よかったら勉強でも教えてやろうか? 俺の家か何かで」


「本当?」


 私が反応をしていたのは彼の家という言葉だった。

彼の家に誘ってもらい、それが勉強という理由であろうと、嬉しいことに変わりはない。


「本当」


 彼はあごに当てていた手をポケットに突っ込むと、私の顔をのぞき込んでくる。彼との距離は拳一つ分しかない。


 今朝のことを思い出し、思わず身をのけぞらせていた。


「もしかして、キスでもされると思った?」