私と彼の関係

「そうした話は聞いたことないよ」


 その言葉にほっと息をつく。


「前、宮野君の家に言ったとき、何か聞きかけたのは彼女のことだったの?」


 彼はうなずいていた。


 あの時は彼が自分に何を聞こうとしているのか不思議だったけどあの親しげな様子を見ていたら納得できる。


「学校で会ったら声でもかけてやってよ。最初は逃げるかもしれないけど、嫌がっているわけじゃないから」


 彼の言葉にうなずく。


 嫌ではなかった。


 想像より二人をみて、傷つかずにすんだ。


 だが、同時に分かったことがある。二人の関係があまりに近いのだということだった。


どちらがその気になれば、そうした関係が一気に変わることもあるかもしれない。


「君って成績悪そうだよね」


「失礼な。別にそこまでは」


「平均点とれていれば大丈夫とか思ってそうなタイプだろうから」


 もっともな言葉に返す言葉もない。