私と彼の関係

 宮野君が私を見る。


「ののかはお前に憧れているんだってさ」


 彼女を見ると、頬を赤くして宮野君の影から私を見ていた。


 可愛い。


 憧れているというのがいまいちピンとこないけど、そんな彼女は驚くほど可愛い。


「一緒に帰る?」


「いいです」


 私が何かを言う前に、彼女はのけぞるようにして、否定していた。


 その反応が小動物みたいでとにかく可愛い。


「私は帰りますね」


 彼女はほとんど私と目を合わせないで、そのまま足早に去っていく。


 彼女の後ろ姿をぼーっと見ていると、宮野君が話しかけてきた。


「あれで、俺のことを好きには見えないだろう?」