私と彼の関係

 私の言葉に苦笑いを浮かべていた。


「この前は意地悪を言ったけど、告白したら、絶対宮野が好きだからって断られると思っていたからさ。だから、無理に誘って思い出作りでもしようかなって思っていたんだけど。そんな泣きそうな顔されたら、言えないね」


「えっと、あのごめんなさい」


 何に対してあやっているのかもわからずに謝ってしまっていた。


 彼はそんな私を見て、目を細める。


 そして、ハンカチを差し出してくれた。私はそれで涙をぬぐう。


「あいつから理由、聞いた? 君にどうして彼女の振りをしろって言ったかその理由」


 私は首を横に振る。


「理由なんてないと思いますよ。ただの暇つぶしで」


「君がそんなんだから、引き止めなかったんじゃない? 宮野も君と同じでさ」


「同じって」


「相手の気持ちをまったく理解していないってこと」