そうじゃないけど、そう思われてもいいやって思った。


 それをノーだと言えるときは、宮野君のことを好きだって言える勇気が出た時だと思うから。


「遊ぶのもいいけど、休み明けのテストで見せられないような点数を取らないように」


「はい」


 あの母親の言っていた親が勝手に決めた条件のことを思い出し、心の中がくすぐったかった。




 それからイルカのショーを見て、帰りがけにごはんを食べて帰った。


 私が払おうとすると、宮野君が伝票を持って払ってしまっていた。お金を払うといっても全然聞いてくれなかった。


 帰りは私を家まで送ってくれた。帰っていく彼の後姿を見ながら、約束のことを思い出し、顔がにやけてしまうのが分かった。