「高橋!」 麻生が早足で、車に駆け寄ってくる。 学校が終わるとすぐに麻生に連絡し、8時に会う約束をした。 助手席のドアが開け、麻生が車に乗る。 シートベルトを締めたのを確認すると、アクセスを踏み車を走らせる。 「…元気そうだな?」 学校で見たときの表情とは違い、何故か嬉しそうな顔をしている。 「だって、高橋が約束守ってくれたから」 「…そうか」 素っ気なく答える。 今の俺には、麻生の顔は見れない。