「で、どうして何もないの?」 中庭には誰もいなく、泰葉と香奈の貸し切り状態。 「どうしてって…」 先生とは、授業以外は会うことがない。 電話もメールも… 「先生…忙しいから」 「忙しい?!そんなわけないじゃん」 泰葉の腕をひっぱり、ずんずんと歩き出す。 「ちょ…香奈?」 「高橋んとこ行くよ!もう我慢の限界」 ものすごい剣幕で廊下を歩き、つかんでいる手を離そうとしても、離れない。