「…なんのことだ?」 振り返らずに、立川に問いかける。 「とぼけるのはなしですよ。妹尾さんは、認めたんですから」 …妹尾が? 勢いよく振り返ると、顔だけ向けた立川がー… 「さようなら、先生」 睨むような…軽蔑した眼差しで俺を見た。 キャリーバックをひきなから帰って行く立川の背中を、見えなくなるまで動けずにいた。