[澪side]

なんでだよ。分けわかんねえ。
俺なんかしたか?
不安にさせた理由がわかんねえ。
アイツのコト好きなのに。
「当たり前じゃね?」
そう言ってもアイツは泣いている。
「あたし達って、いつもこんなことしてるだけ。恋人らしくない・・・。」
アイツの言葉はメッチャ響いた。
恋人らしいこと・・・してやれねえ俺って・・・。
「好きだから。今度、ちゃんとしたトコでデートしような?」
アイツの返事を待つだけの俺。
なんて情けねえんだよ。
「うん・・・。」
きっとアイツは俺のコト大好きなんだと思う。
俺がアイツを好きなくらいな。
アイツの期待にこたえてやれんのは俺だけ。
俺の期待にこたえられんのもオマエだけ。
こうやって・・・愛をつくろうな。
「最高のデートにできなくてごめんな。」
アイツの顔が次第に晴れてきた。
見えてくるのは笑顔。
「ううん!次楽しみましょう!」
好きだなあ。
アイツを幸せにできる方法もっと深く考えよう。
「・・・おくる。」

歩いて送った。
どんな話したか覚えてねえけど、アイツめっちゃ笑顔だった。
そして最後にアイツはこういった。
「最高のデートをありがとう!」
偽りのない満面の笑みが俺に向けられたとき、
すっげえ幸せ感じた。
俺もアイツを幸せにできりゃいいな・・・。