しばらくして、澪先輩がゆっくりと来た。
紳士らしい服装だったが、扉を閉めた瞬間ソファーに飛び込み、
テレビをつけてブレザーを脱いだ。
ボタンも第4まであけている。
これが本当の澪先輩。
「優等生ってかったりい!」
頭をくしゃくしゃにしている。
あたしだけ澪先輩の本当の姿を知ってる。
嬉しいなあ。大好き。大好き。大好き。
「で、なんなの?」
「え!!??」
いきなり話をふられて戸惑った。
やっぱ・・・「デートしたい」なんて言えない。
「あのね・・・メアド交換したくて!」
「あー!俺も思ってた。んじゃ、すっか。」
とっさに嘘をついた。
いや・・・メアド欲しいのもホントだからいいか。
澪先輩の隣に座って、ピンクの携帯を取り出した。

「まて・・・タダじゃやんねえよ?」
こんなトコまで意地悪。
あたしはムスッとしてほっぺを膨らませた。
「なにしたらいいんですか?」
「キス」
一瞬の間。
でもすぐにあたしはキスをした。
澪先輩を困らせたくて、深いのをいつもより長くした。
「いいじゃん。俺様を納得させるとは・・・」
ニヤニヤしている。
たまにはあたしもやるってトコ、分かってくれたカナ?

あたしはメアドを赤外線で送って生徒会室を出た。