楓の笑った顔とか、照れた顔とか、全然頭から離れない



はぁ……マジで俺どうしたんだろ



だけど、そんなことを考えていても、俺の頭の中は常に楓のことでいっぱいだった



耳に入るのは女の甲高い声だけ



それが俺を余計に混乱させる



……うぜぇ



ギャーギャーギャーギャー騒ぐんじゃねぇよ。……耳が腐る



だけど、そんなこと口に出来る訳もなく、ただ無表情で廊下を歩くだけ



はぁ……モテるって辛いよな



こんなにも女から寄って来られるんだからさ



俺の隣りに居るのは楓だけで充分なんだけど……