それはジャンケンだ。
グーとチョキとパーで成り立つ簡単なゲームは、どんな場面でも使われる。

人間関係もきっとジャンケンなのかもしれない。

友達と喧嘩した私はグーチョキパーを繰り返し、それを見つめた。

握りこぶしから2本の指が出てきて、3本の指があとを追うように伸びる。

私はパーになることがなかなかできないでいる。

グーは石
チョキははさみ
パーは紙

と聞いた。

紙は石を包み込める強さがある。
けれど、はさみは石につかかっていくことしかできない。弱いのだ。

私はチョキ。
友達はきっとグー。

私はパーになりたい。

いつかチョキに切られてしまうかもしれないけれど、その時はテープを使えばいいもの。

チョキはいつも弱いよ。
切ったり、つかかったり、そんなことばっかり。

私はパーになって受け止めたい。





そう心の中で語った彼女のテープにでもなれたら、と私は思う。