靴にはきかえて学校を出たあとも、何度も呟いた。

これだ!

という夢はない。

ただ漠然と、やってみたいだとか、なってみたいだとか思ったりするものはある。

それを職にしようとまでは思ってないけれど。

いてっ。

いつの間にかほどけていた左足のくつ紐が、右足の足首にあたった。

結ぼうとかがむと髪がたれてきて邪魔をする。

めんどっ。