まだ少し、着慣れないセーラー服に袖をとおす。
中学校に入学してから一ヶ月と少し経った。


長かったのか短かったのか分からないG・Wも終わり、今日から学校。



「ええっ!?どうゆう事??」


私は目を見開き、大声で叫ぶ。
通学路付近のゴミ出しの主婦などが、なにかとこちらを見るが、そんなのはおかまいなしだ。


「だから、修司兄ちゃんと真知子が結婚するって」


私の双子の弟、大和は微笑んで話していた。


「えええ!だって、朝食の時何も言ってなかったし…」


「それは、お父さんとお母さんに言うタイミングとかあるからね。」


大和はスキップして先に進む。


「椿はG・W、マリーのとこに遊びに行ってたもんな。
昨日時差ボケだって言ってずっと休んでたじゃん。修司兄ちゃん、言いそびれたんだよ」


そう言って、スキップを止める大和。


「それはいいけど…でも!でも…なんか、寂しい…」


私がそう言うと、大和は笑った。


「椿は、修司兄ちゃん好きだもんな。」


「大和こそ!真知子の事好きなんじゃないの?寂しくないの?」


私は大和に問いかけるが、大和は笑ってこう言った。


「別に?真知子が姉ちゃんになってくれたら、俺は嬉しいけど!」


大和は再びスキップをした。
修司お兄ちゃんが結婚しちゃうのは…寂しい。


でも、大和は…なんで、喜べるのかな?
なんか、大和が今、どうゆう気持ちなのか、まったく分からない。