家に戻った私を迎えてくれたのは一馬さんだけではなく、木原君のお母さんもいた。

お父さんは買い物に出かけたらしい。どう状況を説明していいかわからない私に代わって木原君が簡単にまたつきあうようになったとだけ言ってくれた。

 奈々さんはただ笑顔で私たちの話を聞いていた。

「ケーキでも買ってきてくれない? 今、お菓子を切らしていて」

 奈々さんは木原君にそう告げる。

「父さんに頼めば?」

「あの人はあまり食べ物に興味がないから、頼りにならないわ」

 その言葉に思い当たることがあるのか、木原君は笑っていた。

 そのとき一馬さんが奈々さんを見る。彼の視線を受けたからか、奈々さんはうなずいていた。

「歩いて二十分くらいかな」

「車で送ってやるよ。車を借りるから」