太陽の光がその石に当たり、光を放っていた。

「勝手にしてごめんね」

「君のために買ったんだからいいよ」

「一生大事にするね」

 彼にひかれるようにして歩き出す。時折、風が駆け抜け、冷たさが襲う。でも、指先から伝わってくる気温がその寒さから守ってくれた。マフラーやコートを着るよりも何倍も暖かい。

「今日こっちに来ていたのは何か用事があったの?」

「今日は実の母親の誕生日なんだ。だからどうせならってことで今日墓参りをしてきたんだ」

「そっか。お母さんの」

 このままではあのときの彼女と交わした約束も果たせないところだった。一度逃げ出そうとしたけど、今はもう迷わない。彼とつないでいる手に力を込め、彼を見る。