一馬さんの言葉にできるだけ笑顔で応える。

 外に出ると、昨日のような寒空が広がっている。こんな寂しい空でも、一年前は幸せを与えてくれるものだった。

 それはやはり木原君がいてくれたからで、私にとって彼は特別な存在だった。

 その彼の笑顔を見続けたいと思った。でも、私は逃げ出していた。

 理由はいろいろある。結局は私が弱くて、彼を信じられなかったんだ。彼が私にとってあまりに特別で、同じ怖さを彼も抱いていたなんて考えてもみなかった。

 枝を踏みわけ、一年と少し前に歩いた同じ道を歩く。

 視界が開け、一人の男性が立っていた。足元で枝のなる音が聞こえる。彼は振り返ると、目を見張る。

「久しぶり」

 私の言葉に、木原君は困ったような笑みを浮かべる。