「実は雅哉は昨日からこっちに来ていて、両親と出かけているんだ。帰りにあいつだけ呼び出したから、家の外で話してくるといいよ。

家の中だと俺達に気を使ってしまうだろうし。行くか、行かないかは君に任せる。それが君の出した結論なんだから。

でも、いかないならメールでいいから教えて。さすがに寒い中、あいつを放置はできないから。待ち合わせすると、夜まで待つやつだから」

 彼は私に電車の切符を渡す。彼が告げた待ち合わせ場所は私と彼の出会った場所だった。

 私は彼と一緒に、玄関まで行く。彼は靴箱の上においていた車のキーを手にすると、私に見せた。

「行き先を決めたなら送るよ」

 私は首を横に振る。

「大丈夫。一人で行けますから」

 私は目にたまっている涙を拭って、微笑んだ。

 最後にあるくことで、自分の気持ちの確認をしたかったんだと思う。

「君は笑った顔が一番可愛いと思うよ」