やっぱり彼の言葉は不思議だ。すっと心に入り込んでくる。

 決定的なのは、彼が私の前で表面的にしか笑わなくなったこと。でも、木原君を避け出した最初の発端は、バレンタインだ。

 彼が唯一チョコレートを貰った同じ学校の生徒。

「バレンタインで木原君はチョコレートを貰っていたの。同じ中学で、木原君のことがずっと好きだった子からの」

「篠崎って子からもらったってやつ?」

 彼が知っていることに戸惑いながらもうなずいていた。

「君さ晴実ちゃんとどこか人の多いところで雅哉とつきあっているだのそういう話をしてなかった?」

「したことはあるよ。でも学校では」