最初、木原君の部屋には冷房がなかったが、いつの間にか冷房が設置されていた。お父さんの部屋に設置されていた冷房を彼の部屋に持ってきていたのだ。父親は普段家にいないし、かまわないということになったのだろう。

 新しいのを購入してもよかったらしいが、木原君によけいな気を使わせないためということでそういう結論になったらしい。それは正解だったと思う。

 私は問題を解き終わると、ふっと顔を机に伏せた。

 木原君は私を見ると、笑顔を浮かべる。

「疲れた?」