「でも、普通そこまで庇う? そんなに仲良かったの?」

 晴実はストレートに百合にそう尋ねる。

 百合が苦笑いを浮かべていた。

「いや。なんというかね、いろいろあるのよ」

「そんなこと言ったらこの子が心配するよ」

 晴実がチラッと私を見る。彼女が本当に私を気遣っているのか、ただ知りたいのかは彼女の妙に輝いている瞳を見る限りは微妙なところだった。

 百合はため息混じりに私を見た。嫌ならそれでも逃げればいいのに、こうやって返事をしようとするところが彼女のいいところなのかもしれない。

 百合の血色の良い唇がかすかに動いた。

「彼と昔から知り合いだったからだと思うよ。それに、はっきりとは言わなかったけど従兄弟のためでもあったんじゃないかなと思うんだ」

「従兄弟?」

「あ、いや」

 百合が明らかに顔を引きつらせ、口ごもる。

「木原君の従兄弟? どんな人?」

 百合は少しだけ考える素振りをしたが、即答していた。

「変な人」

「もしかして好きとでも言われたことがあるの?」