帰りの電車 ずっと黙ったまんま 「ごめんね、遼」 「なにが?」 「お墓参りにつき合わせちゃってさ」 「べつに」 そういって顔を下げる やさしいね そのやさしさにもっと早く気づけてればもっと一緒にいられたのに 遼には感謝ばっかりだよ 「ありがとう……」 自分にしか聞こえないくらい小声で ありがとう 今頃遅いかもしれないけど 本当にありがとう