「全部、話すよ……」
遼はやさしく笑う
「あたしとあの人は本物の親子。きちんと血が繋がってる
あたしにはね、弟がいたの。2歳下で光《ヒカル》って言うんだ
でも、お父さんと光が自殺した。
光はパパっ子だったから一緒にね、まだ12歳だった
あたしより早く死んじゃってさ。バカだよね……
お父さんの自殺の原因はお母さんの浮気
毎回バレるたび『もうしない』って口癖みたいに言ってた
お父さんはずっと我慢してた
お母さんを信じてずっと……
でもお母さんはやめなかった
耐えきれなくなったからお父さんは自殺したの
お母さんは2人の葬式にも来ないで他の男のところに行ってた
許せなかった
ずっと信じてたお父さんを裏切ったお母さんが許せない
だからあたしは家を出てここに来たの」
「話してくれてありがとな」
「ううん。こっちこそありがとう」
遼のおかげで楽になれたよ
軽蔑しないよね?
守ってくれるんだから

