「我と仲良くなる気はなし…か。別にいいけどね」

小島君がぼそっと独り言をつぶやいた

「ねえ、吉ぃ。次の号で使う写真はこれで……あ?」

小島君の後を追いかけるように出てきた女子生徒が、あたしの顔を見るなりパッと写真を後ろに隠した

「満沢 光…彼女が、記事を書いた。二人で新聞を作ってる」

小島君が、満沢さんの顔をちらりと確認すると、あたしに紹介してくれた

「…どうも。妃木です」

あたしは満沢さんにぺこっと頭をさげた

学校の校則違反を、いくつ犯しているのだろう…とおもわず数えたくなるような派手な女子だった

オレンジと茶色、赤の三色のメッシュの髪に、たくさんついている耳のピアス

日本人なのに、赤い瞳

綺麗に化粧をして、瞼の上がキラキラと輝いていた

細い身体に、メリハリのあるボディラインが、羨ましい

「あ…青族の拉致で、奇跡の生還した人だぁ」

満沢さんが、あたしに指をさすと目を輝かせた

「こら。満沢、他人を指でささない」

小島君が、ぼそっと満沢さんに言いながら、彼女の腕を下に押した

「だって、あそこに赤が来なかったら、助からなかったじゃん。マジ、幸運な子じゃね?」

小島君が、満沢さんの言葉にちょっと宙に視線を泳がせた

「違うと思う。妃木さんがいたから、赤が来た…そうでしょ?」

小島君が確信をもった言い方であたしに聞いてくる

あたしは首を横に振った

「赤には、女は入れないよぉ。なんでこの子がいたから、赤が来るのさ。意味わかんなぁい」

満沢さんが、あたしが口を開く前に小島君に話しかけていた

「あれはただ悪巧みをしてた青に気付いた赤が乗り込んだだけじゃん」

満沢さんがさらに言葉をつづけた