Libra ~揺れる乙女心~



「隆介!!まだみんな来てないの?」


2番目に来たのは、鈴子だった。

これが鈴子のデートファッションか。


『デートです』って感じのピンクのかわいい服で、いつもとは全く違う雰囲気。



「お前、頭くりんくりんだぞ!」


いつもと違う鈴子に、ちょっとドキドキした自分を隠す為・・・

俺は、鈴子の巻き髪に触れた。



女の子らしい甘い香りがした。



ほんのり顔を赤らめた鈴子がうつむいて、笑った。



鈴子は正しい。

健太を選んだお前は正しいよ。



健太がいつか言っていたが、

告白したとき、鈴子はすぐにOKとは言わなかったらしい。




少し気になる人が他にもいた・・・と。



でも、健太の熱い想いに、鈴子は負けた。




そりゃ、負けるよ。



あんな無邪気な顔で、『鈴子、鈴子』って犬みたいに鈴子にべったり。


なのに、部活中は真面目にマネージャーとして接して・・・


部活が終わると、すぐにまたべったり。



俺が隣にいるってのに、「鈴子、今日かわいい」とか普通に言える健太はすごい。



俺には無理。