Libra ~揺れる乙女心~



毎日思い出すわけではない。


時々、思い出してしまう。



思い出さないように生きている中で、やっぱり忘れちゃいけないんだと思う俺もいて・・・



思い出し始めると、止めることができなくなり、俺は過去へ旅してしまう。





息子のわがままや甘えを、嘘だとわかっていても、受け入れてくれてくれる母。


俺も、よく母さんの名前を呼んでたな。




「隆ちゃん、歩けるでしょ?」


そう言いながらも、しゃがんで俺を抱き上げてくれた。




愛を確かめていたのかな。


本当は、さっきの子供も遊園地に来た嬉しさで、いくらでも歩けたはず。

ちょっと甘えてみて、母の愛を確認したいだけなのかも知れない。