「鈴子!!」 俺は持っていたボタンを鈴子の手の中へ入れた。 そして、そっとキスをした。 涙の味がした。 外では、後輩が大声で校歌を歌っていた。 甲子園で歌えなかった校歌… 「健太…待たせてごめん。まだ私のこと好き?」 「あったり前だろ。俺、一生鈴子しか好きになれないって!」 倒れ込むように部室にしゃがみこんだ俺達は、 いっぱいいっぱいキスをして、いっぱい涙を流した。