第二ボタンをくれと、たくさんの女の子に言われた。 俺は、こっそりボタンを引きちぎり、ポケットへ隠した。 第二ボタンはあげられない。 大好きな人にしか渡せない。 きっと、鈴子は俺のボタンは必要ないだろうが… 「健太!!!ボタン誰かにあげたの?」 制服に着替えた俺の腕を掴む。 鈴子だった。 「え…あげてねぇよ」 泣いたせいで、鈴子の顔がぼやけて見える。