俺はばかだ。



きっと、俺は女心がわかっていない。







俺は教室を飛び出し、そのまま廊下を思いっきり走った。


今なら、俺の最速タイムが出るかもしれない。


それくらい、速く俺は逃げた。






初めてだった。



女の子は、男とは違う生き物だと感じた。



普段の鈴子の顔ではなかった。






泣いていた。



俺の手を振り払った。





俺は、余計なことをした。





どうして


探したりしたんだろう…





どうして、練習よりもあいつのこと…


気になってたんだろう。






もう忘れよう。



このよくわかんねぇ感情を根掘り葉掘り分析したって意味がない。



それなら、野球のことを勉強した方がいい。






どんなに走っても、球を投げても…



鈴子の涙が頭から離れなかった。