オレンジ色のカーテンが不自然に盛り上がり、机の上には見たことのある鞄。



少し近付くと、そこには鈴子がいた。





顔も体も隠してるけど、見えたんだ。



あいつの携帯のストラップ…


いつかみんなでからかっていた変な形のふわふわしたピンクのストラップ。



声をかける前に少し息を飲んだ。



声をかけてはいけないんじゃないか・・・と誰かが囁いてくるような空気だった。



窓から差し込む西日が、カーテンのオレンジ色を輝かせていた。


ふわふわ揺れるカーテンの中にいる、彼女に…




俺は声をかけた。