眠れずに旅館の中庭を歩いた。 空には数え切れないくらいの星が輝いていた。 心の中で話しかける。 『…健太!!綺麗だね!星!』 心の中の健太は、無邪気な笑顔で興奮気味に言うんだ。 『おぉ!!すげーー!綺麗だなぁ!でも鈴子の方が綺麗だよ』 キザなセリフを言える健太。 恥ずかしがらずに、好きだとか、かわいいとか毎日言ってくれた。 当たり前だと思っていた健太の愛が、今はとても恋しいよ。