~鈴子~ どうして嫌じゃないんだろう。 どうして振り解くことができないんだろう。 健太の腕に抱かれて、昔の記憶が甦ってきたんだ。 寒い冬公園で抱きしめてくれた健太のこと。 いつも手を繋いでくれていたこと。 健太の優しい笑顔… 久しぶりに抱きしめられて、私は昔の私に戻っていた。 健太に愛されて、健太に包み込まれていた幸せの日々… ずっと封印していた気持ち。 逃げてた自分の心。 実は後悔していたんだ。 健太と別れたこと。