「もうすぐだ…」 灯りのない部屋で、ニヤリと顔を歪めた。 「…ああ、頼むよ」 男は――いや、女かもしれないが――、誰かに電話を掛けた。 電話を切ると、壁に貼られた春岡雫の写真にナイフを、突き立てた。 「死よりも苦しむことになる。もがき苦しんで、俺に助けを求めればいい。そうしたら、冷たく傷ついてやる」 ニヤリと再び、顔を歪めてナイフを引き抜いた。 悪夢の始まりは…雫が事件に巻き込まれた時だったのかもしれない。