「拓哉…………別れよっ、か…………」



私は彼のことだから



「嫌だ」



そんなことを言うだろうと思っていた。



だが、予想外な言葉が返ってきた。



「ああ」



「……………ありがとう、拓哉」



別れを望んだのは私なのに心の底では言って欲しかった。



「嫌だ、愛しているのはお前しかいない」と。



私たちが付き合う時ゴタゴタがあって、一回そんなことを言ってくれたよね。



でも今は受け止めるしかない。



これが私の招いた現実なのだから。