唯人君はずっと寂しかったんだ。




分かるの…すごく…




いつか迎えに来てくれる。




そう信じて待っても、いつも裏切りばかり…




結局、自分が傷付くだけなんだ。




どうせ裏切られるのなら…




最初から憎んで、恨んだ方が




楽なんだ…





「っ…」




バカだ…私…



何…泣いてんだろう……




私はすぐに洗面所に向かい、歯を磨いてからゴシゴシと顔を洗った。




ピンポーンーー



タオルで顔を拭いていると、呼び鈴が鳴った。




きっと唯人君だ。




「夜深~俺の方が早かったぞー」




ほら。唯人君だ。




どうしよう…



泣いてたの、バレないかな?




「夜深~?」



「あ!うん!今行く!」




私は慌ててりぼんを付けて、鞄を持った。




そして勢い良くドアを開ける。


「唯人君早いよ」



「そう?普通だよ?」



「嘘ー」




私は唯人君の腕に自分の腕を絡めながら笑った。