コホンとわざとらしく一度咳払いをした小池君。


やっと言う気になったらしい。




「唯人。俺、相澤さんの隣の席、やっぱりドキドキすんだよ~…」



「…は?」



は?




唯人君の声と私の心の声が重なった。




な…何ですと??



「唯人はもちろん?抱きしめちゃったり?あんなことやこんなことしたりしてるから?分かるだろうけど?」



「あんなことやこんなことって……」



「まぁそこは気にすんな。で、相澤さん…ヤバいよ。かわいすぎ…。しかもシャンプーの匂いかな…それもヤバい」



「おい。いい度胸してんなぁ…俺の前で?」



唯人君は両手を組んでポーッとしている小池君のおでこに強くデコピンをした。



「いってぇよぉ…」



「ざまあみろ」




赤くなったおでこを小池君は本当に痛そうにスリスリと撫でた。




私はその光景を眺めながらさっきの二人の会話をもう一度よく思い返してみる。