蝉の恋

そんな俺の表情を察してかサヤは俺の顔を覗き込みながら

「な~に~?」

と顔を近づける。


「……重い。」

無駄に胸を押し付けられても、今は楽しんでいる余裕はない。

「ちょっと、か弱い乙女になんてこと言うのよ~。」

「だ~れ~がか弱い乙女だ。」


「じゃアタシはなんなのよ。」


…………。

「……雌…だな。」


「う~ん、間違っちゃいないわね~。」

サヤはイヤらしく笑みを作り、

「だから~


もう一回。」

と第3ラウンドに突入した。