蝉の恋

それから三時間ほど経過しただろうか。

プレイは終わり弟は帰って行った。

実際には帰ってから結構な時間が過ぎていたけど、私はぐったりとしたまま動けないでいた。

「お~い。サヤ。生きてるか?」

「まぁね」

ほんとにギリギリだけど…。

「アイツ、いつからだ?」

「最初にやったのは2ヶ月位前かな…。

どうかしたの?」

少しの沈黙。

「気を付けろよ」

ゆっくりと顔を向けた私が見たのは、煙草の煙を吐き出すトシアキの真面目な顔。

私には見せない顔。

ん~いい顔。

たぶん、こっちがホントの顔なんだろうね。


「どういうこと?」

携帯が目の前に置かれる。

「アイツに他のセフレがいるって話は知ってるか?」

携帯画面に写っているのは一人の女の子の写メ。

「知ってる」

話の流れからして、この写メの女の子がその相手なんだろう。