甘いクスリ

 
「いや〜。癒された。
何回みても笑えるな。」

何回も笑うなよ


「で。およびだしの内容は?」

「晴紀、
年上と年下どっちがいい?
って、あんたの歳じゃ、上って
熟し過ぎよな。下でいいよね?」 

うげっ・・・
見合いかっ?!

「待て。姉貴。」
「待たない。」

「いや、ちゃんといるから。
俺っ!そういう相手、
いるから!」

思わず、口から出まかせ。

大嘘つきだな。俺。

俺は、自慢じゃねぇけど、
固定は作らない主義だ。


「じゃあ、連れてこいよ。」

「はっ?」

待て・・・
何でそうなる?!

「親から、あんたを任された
私の身になれっつうの。」

男前だな。相変わらず。
だから、長男ぢゃなくて
あんたが後継ぎ、なんだろ。

多分、体育会系脳の
姉貴には、そこまで
わかんねぇんだろうな。

「いや、相手はいるけど、
まだ、具体的に、
そーゆー話してないし・・・」 

絶対絶命。

折れるなんて事を
しらない姉貴から、
時間稼ぎをするため、
ひたすら嘘を塗り重ねる。

あとは、誰かに 
ひと芝居頼むしかなかった。