甘いクスリ

 

姉貴に、二人で電話する。

くすぐったい気分で、改めて、
これまで育ててくれた事やら
ナンだカンだ、感謝を込めて
言葉にした

「姉貴、見たよ。
ありがとう・・・」
って。

そうすれば、

『堂野の家督者たるものの
勤めを果たしたまで。
気にする事はない。』

と、男前に言い放ち、
さっさと琴子に替われと言う。

『琴子ちゃん、あれで、
結納金は、勘弁してやって。

優しいけどで、
ふがいない男だからな。
晴紀に愛想つかしたら、
ソレ持って、逃げるんだぞ。
あんな男でも良ければ、
うちに嫁においで。』


俺が、聞き耳立ててる傍で
こともあろうか、俺より先に
プロポーズを果たす。


・・・おいっ・・・




おいっ・・・・





ぉぉおおおーーいっ








「琴子、携帯貸してっ
って、姉貴何やって
くれてんだよっ?!
俺、まだ、プロポーズして
ないんだけどっ?!」

コメカミを、引き攣らせながら
携帯電話を強奪し、
苦情をぶちまければ。